みなさんは『日本国憲法』を読んだことがありますか?仕事や学業で必要とされない限り憲法を読んでことがある人は少ないと思うんですよ。私の周囲には憲法を読んだことがある友人・知人はいません。かくいう私も『日本国憲法』を全文読んだのは安倍晋三が総理大臣になり世間で憲法改正論議が言われだした10年くらい前の事です。それまでは憲法は全部で103条あることも知らないぐらい憲法には無頓着でした。憲法改正実現の可能性が朧気ながら見えてきたことで憲法を読んでみる気になったのです。その上で思ったのは今すぐに憲法改正する必要をはあまり感ない。というのも逆説的になりますが日本人のほとんどが憲法を読んだことがないというのが大きな理由です。ほとんどの日本人が憲法を読まないということは現行憲法は多くの日本国民にとって大きな不都合がないということです。もしも国民にとって不都合な憲法ならばみんな憲法を読んだり調べたりするはずですがそのような事になっていない。現行憲法が不都合だと感じているのは主に自民党を筆頭するいわば政府与党の方です。憲法は権力を抑止すために作られていますから政府与党などの権力者にとっては不都合なのは当たり前で権力者にとって不都合であればあるほど正しい憲法とも言えます。もっとも自民党の党是は自主憲法の制定ですから自民党が憲法改正を目指すことは政党としては間違っていません。しかし連立を組む公明党も改憲勢力となっているのは変節でしょう。自民党の改正憲法案も読みましたが内容的に残念な草案で賛成する気にはなれません。しかし現行憲法が完璧かといわれればそんなこともなく確かに不備・不明瞭な部分はあります。例えばよく問題視される自衛隊問題。現行憲法において自衛隊は違憲扱いで共産党などの左派から批判されています。災害などあれば出動するのは自衛隊だし日本は中国・ロシア・北朝鮮などの近隣国からの脅威を受けているのは事実です。そうした状況下でいつまでも自衛隊を違憲状態に置き左翼からの批判に晒していることには反対です。自衛隊の存在を憲法に明記しても即戦争には結びつかないと思います。平和憲法の9条は素晴らしいと思うけどそれは日本国の戦争の放棄であり相手国に対して戦争を放棄させる抑止力にならずむしろ相手国を利する憲法になってしまっている感もあります。またカルト性を帯びた創価学会や統一教会と政府与党との関係や靖国問題を考慮すると20条も再考すべきでしょう。あまりにも政教分離の原則があやふやすぎます。政治権力と宗教勢力が結託・癒着して社会を混乱させ国民を疲弊させる事例は歴史上多々見られてきたわけですからもっと明確に政教分離を規定するべきだと思っています。他にも三権分立や国会議員特権など権力を強く抑制する憲法を制定しなければいけないと考えています。もっとも権力である与党や国会議員が自分たちの首を絞めるような憲法案を提出するとは思えませんからそれなら現行憲法で十分。ベストではないけどベターだと思います。それに自民党の改憲勢力が騒ぐほど国民の中に憲法改正についての議論は起きていません。それは冒頭で書いたように多くの国民が『日本国憲法』を読んでいないという事実が物語っています。憲法は護憲・改憲という二元論では一概には語れません。個人的に現時点では憲法改正に必ずしも反対ではないし今以上の素晴らしい自主憲法が制定されるならそれに越したことはないと思いますが、現状の国家議員たちを見ていると、こんな連中に現行憲法を超える素晴らしい憲法が作れるわけないと感じます。憲法改正より前に選挙制度を変えて国会議員の質の向上を多くの国民は求めていると思います。
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