今の時期はお盆ということで各宗派のお寺で『盂蘭盆会(うらぼんえ)』の法要が行われていますね。『施食会(せじきえ)』という宗派もあります。私の菩提寺でも昨日『盂蘭盆会』があり参詣してきました。他宗ではどんな感じなのか分かりませんが日蓮正宗では最初に献膳の義、その後読経・唱題に入り読経の途中でお焼香をするといった流れです。唱題が終わると御住職が塔婆供養を願い出た方々と菩提寺の檀信徒の精霊に追善回向の御観念をしてくれます。こういう法要に参詣する度に創価学会という新興宗教を辞めて日蓮正宗に移籍してよかったと思います。創価員は今頃は先祖供養なんて放っておいて「友好活動」という名の選挙事前運動をしているのでしょう。なにせ「友好数」の報告がありますから数字を出さないといけませんから。さて『盂蘭盆会』の謂れは、お釈迦様の弟子に目連(もくれん)という人がいました。目連の亡き母は生前の慳貪(ものを惜しむ)の罪で餓鬼界落ちていましたが修行中の凡夫の目連はそれを知りませんでした。やがて修行が進み阿羅漢になった目連は神通力を得て三千世界を見渡し母親が餓鬼界で苦しんでいる姿を知ることになります。母の姿を見た目連は神通力で飢えた母の前に食べ物を贈りますが母が食べ物を口にすると火になって母の身体を焼いてしまいます。慌てて神通力で水をかけると今度はその水が薪となって更に母を苦しめるのです。この惨状に嘆き悲しんだ目連はお釈迦様に救いを求めると、お釈迦様は「お前(目連)の神通力では母は救えない。7月15日に飲食を整え聖僧を集めて供養をすれば母を救えるだろう」といわれ、目連はその教え通りに実践して母を餓鬼界から救うことが出来た。ということです。これは『盂蘭盆経』という経典に書かれています。肉親や友人が亡くなると多くの人は「天国にいった」「成仏した」といいますが、凡夫である人間には本当の所はわかりません。「天国にいった」「成仏した」というのは残された人間の「天国にいったと思いたい」という願望です。気持ちとして分かりますが、これは修行中の凡夫の目連と同じです。目連も何も知らない時は優しい母がまさか餓鬼界にいるなどと想像もせず成仏して幸福に過ごしていると思っていました。信仰して先祖を供養する事を知った人でもやはり間違った信仰での供養は先祖を苦しめるだけの結果になります。創価や統一教会・幸福の科学等々の新興宗教団体で行う供養は、あたかも神通力で母を救おうとした目連が却って母の身体を焔で焼くようなものです。信仰心をもって先祖を供養したいと思うその気持ちは大切で尊いですけど間違った供養は供養する側もされる側も悲しい結末になります。空中浮揚できても言霊が使えても手をかざして病気を直せてもそんな神通力では先祖も救えないわけです。当然、お金で救えるはずなどありません。目連の神通力ですら救えないにお金で救える道理はありません。お釈迦様に言われた事を実践してこそ正しい先祖供養になるのです。では、仏教各宗派ならどこでもいいのかというとそうでもないんです。なぜなら、日蓮正宗以外の宗派はお釈迦様の教えに反しているからです。「そんなのお前がそう言っているだけだろう!」って思われるのは百も承知ですけど、私は何十年も日蓮大聖人の教えは当然の事、それ以外にお釈迦様の経典や後代の仏教を学んできた人たちの論釈を勉強し読み比べてこのような結論に至ったのです。何がどう違うのかいくらでも話せますけどそれは本ブログで少しずつ話していきたいと思います。さて、時代が進むにつれて日本はどんどん便利になっていきますが、便利になったから必ずしも豊かにはなっていないと思いませんか?現状の日本を俯瞰すると便利だけど貧しいと私は感じます。この貧しさは心の貧しさから来るものだと思っています。そして心の貧しさは日本人が信仰心を失いつつあるからだと思います。政治も経済も何もかもが人間の営みの結果です。人間の営みは心から生まれます。その心を豊かにするのが仏教です。その仏教は日本のみならず世界で衰退しています。そして伝統仏教衰退の裏には人々の心を貧しくする創価学会等の新興宗教の存在があるのです。例えば創価学会は日本の伝統的な仏事をほぼ全否定してます。本来であれば伝統宗派にとっては非難すべき団体です。だけど、日蓮正宗以外はどの宗派も創価学会を非難しないのは私には理解できません。見て見ぬふりをしている他宗派の僧侶は僧侶として本分を忘れています。とてもではないけどお釈迦様の言われる「聖僧」とは思えないです。もちろん信教は自由です。だけど、せめてお盆の時くらいは御先祖にリンゴ1個・オハギ1つ・線香の1本も手向けるような人が増えればいいなと思っています。そういう人達が増えていくことで日本も便利さとともに豊さかも備わっていく「美しい国」になっていくのではないかと思ってます。私の子供頃(昭和時代)はいまよりずっと不便だったけど心は豊かだった気がします。便利さは時として心の豊かさを失うものだと感じます。
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