過去の何度か「教学」についての記事を書いていますが、今日は日蓮大聖人の仏法における教学について書こうと思います。私は基本的に『仏教学』という学問は存在していないと考えています。『仏教』とはあくまでも信仰のことですから『学問』で仏教の本質を捉えることはできない。そのことは大聖人のみならず釈尊も多くの経典で述べられています。
◆総じて予が弟子等は我が如く正理を修行し給え智者・学匠の身と為りても地獄に堕ちて何の詮か有るべき(十八円満抄)
との大聖人の御妙判の如く、成仏の方法と実践を欠いて仏教を学問したところで何の意味もないと思っていますので、そのような意味で『仏教学』は存在していない。学問として存在しているのは『仏教の歴史学』『仏教の文献学』といった類のもので仏教自体を解明し理解するものではありません。もちろん教養として仏教の知識を得るという事は悪くはありませんが、それ以上でもそれ以下でもありません。さてひと口に「教学」と言ってもその範囲は非常に広い。まず「教学」は広義おいて『宗史』と『宗学』があります。狭義においての「教学」とは『宗学』ということになります。そして『宗学』は大きく『教相門』と『観心門』に分類されます。よく言われる「文上」とは『教相門』のことで「文底」が『観心門』になります。(但し、文上・文底の分別するのは教相門です)更に『観心門』には、総別・能所・勧誡・内外など複雑な会通があるわけです。大聖人の仏法は文底下種の仏法ですか大聖人の仏法における教学のメインは『観心門』にあるわけです。さて、身延僧俗や無宗教系・アンチ正宗の仏教マニア、或いは創価・顕正の半端教学信徒は偽書論を持ち出して正宗教義を非難したり、御書に無記載であることを理由に正宗教義を批判することが多いですが私からすれば全くナンセンスです。御書を始めとする文献と言うのは『教相門』であって大聖人仏法の法門である『観心門』ではないからです。確かに大聖人は文証第一主義を採っているように見えるかもしれんがそれらは全て『教相門』に関する時なのです。『教相門』に約せば文証が重要であることは当たり前の常識です。しかし『観心門』に関しては文証よりも口伝法門が重要なのです。大聖人は、
◆口伝相承の事は此の弁公にくはしく申しふくめて候・則如来の使なるべし返す返すも信心候べし。(四条金吾女房御書)
◆此の義は最上の難の義なり口伝に在り云云。(法華真言勝劣事)
◆問うて曰く要法の経文如何、答えて曰く口伝を以て之を伝えん(曾谷入道殿許御書)
など文証の重要性と同じくらい口伝の重要性も多くの御書に書かれています。そして大聖人が口伝の重要性を説くのは『観心門』についてなのです。即ち、大聖人仏法の根幹は『口伝法門』によって伝えられているのです。創価では御書を文底読みなどといいますが、教相である御書を勧心に会通している(文底読みをしている)のは全て口伝法門によるものです。日寛上人の文段も「口伝」を文章にしたものです。また我々凡夫は「以信代慧」によって成仏するわけですが、ここでいう「信」とは修行のことであり修行とは行体・行儀のことですが、この行体・行儀もまたほとんど御書には記載はなく口伝・相承によるものです。であるから創価員が「五座三座の勤行は御書に書かれていない」などといって自分勝手にインスタント勤行をするのは、全く大聖人仏法の『観心門』から外れているわけです。そして、この口伝による観心の法門は大聖人より日興上人へ唯授一人で血脈相承さて現代まで御歴代上人に相承されています。ですから大聖人仏法の置ける教学のキモは御歴代上人の御指南を拝しながら御書を読むという処に尽きるわけです。この日蓮正宗の教義・法門を端から否定し学ばない人々が、日蓮正宗の歴史や文献の知識で正宗教義を否定・非難するのは本当に滑稽に思えます。全く的外れもいいところなのですから。しかも、彼らの主張は全て「私はこう思う」といった類の「可能性の推論」で、その単なる推論を「事実」にすり替えるいわば詭弁に域をでないのですから客観性に欠けます。もちろん、そのような論説に納得と理解をする人がいるでしょう。それによって正宗の信仰から離れる人のも各自の自由です。ただし『教相門』をもって『観心門』を非難するのは全くの戯論であると言えます。そもそも、大聖人の仏法に限らず仏法は釈尊の時代から法体も修行も全て口伝なのです。そして口伝法門は「誰がいつ書いたか」はさほど問題ではないのです。その内容が重要なのです。「可能性の推論による偽書論」を、わちゃわちゃ言っている程度で正宗教義を破しているつもりになっているのは、なんとも低レベルだと感じます。誤解のないように追記しておきますが、日蓮正宗の教義を信じろと言っているわけではありません。否定・批判するならもう少しマシなロジックを言いなさいってことです。特に身延の僧俗はね。
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