創価ダメだしブログ

創価・顕正、その他異流義破折と日蓮大聖人の仏法を正しく伝えるブログです。日蓮正宗への勧誘サイトではありません。

六巻抄拝読の為の基礎知識②(三重秘伝抄①)

今回からは三重秘伝抄の基礎知識です。今後は太字部分は本文ですのでよろしくお願いします。

■正徳第三癸巳、予四十九歳の秋、時々御堂に於て開目抄を講じ、而て文底秘沈の句に至るに其の義甚深にして其の意難解なり。所以に文に三段を分ち義に十門を開く。草案已に畢りて清書未だ成らず、虚しく笈の中に蔵めて之を披くに遑いとまあらず。 而る後、享保第十乙巳、予六十一歳の春、逅邂之を閲するに疎略稍多し、故に粗添削を加う、敢えて未治の本を留むることなかれ。 然るに此の抄の中には多くの大事を示す、此れは是れ偏に令法久住の為なり、末弟等深く吾が意を察せよ云云。

まず序文ですがここでは日寛上人が49歳の時に開目抄講義の際に「文底秘沈」が書かれている御文についての解説の草案(清書前の原稿)を作り、その草案を笈(おい)の中に保管していていて61歳の時に添削を加えて清書したことが書かれています。笈というのは今でいうリックみたいなもので昔は笈の中に修学に必要なモノを入れてそれを背負って修学に出かけたわけです。一応「笈のの中に草案が保管されていた」と三重秘伝抄の序文に書かれていますが、六巻抄全6巻は約3カ月の余りの間で書き終えていますので笈の中に保存されていた草案は三重秘伝抄だけではなく六巻抄全ての草案が保存されていたと思われます。この六巻抄は日寛上人のご遷化の約1年前に書かれているのでまさしく日寛上人の遺言のようなものでもあり出世の本懐ともいえるでしょう。【敢えて未治の本を留むることなかれ】と未完成の草案を残すことを禁止されたのは【此れは是れ偏に令法久住の為なり】とのお言葉の如く令法久住を思う気持ちで言われたのでしょう。未完成の本を残すことは却って末弟を困惑させ邪教の徒に利用される可能性があります。令法久住・広宣流布の為に未完成な本を残さないようにと言われたのだと思います。我等末弟はこの日寛上人のお心を深く拝することが肝要です。それでは本文に入ります。

■ 開目抄上に曰く、一念三千の法門は但法華経の本門寿量品の文の底に秘し沈めたまえり、竜樹・天親は知って而も未だ弘めたまわず、但我が天台智者のみ此れを懐けり等云云

開目抄の一節のこの御文が「文底秘沈の句」に当ります。三重に秘沈さてた法体が大聖人仏法の文底秘沈の法体であり富士門流の秘伝の法体ということです。「三重」とは「権実相対」「本迹相対」「種脱相対」の3つことです。この中の「種脱相対」つまり下種の法体こそが日興門流にのみ血脈相承されているので【秘伝】という事です。三重秘伝抄はこの冒頭の開目抄の御文の義をご指南され日興門流の秘伝の法体(事の一念三千)を示されてる書です。

■問うて云く、方便品の十如實相・寿量品の三妙合論、豈一念三千経文の面に顕然なるに非ずや、宗祖何ぞ文底秘沈と言うや

一念三千は法華経の文上で説かれているのになぜ文底秘沈というのか?という質問です。

■此れ則ち当流深秘の大事なり、故に文少なしと雖も義意豊富なり。若し此の文を暁むる則は一代の聖教鏡に懸けて陰り無く、三時の弘経掌に在りて覩るべし。故に先哲尚分明に之れを判ぜず、況んや予が如き頑愚いずくんぞ之れを解るべけんや。然りと雖も今講次に因みて文に三段を分かち、義に十門を開き略して文旨を示さん。

【当流深秘の大事】=【秘伝】即ち富士門流の唯受一人血脈の法体です。それを説明するために冒頭の開目抄の御文を三段に分けて更に御文の義を10個に開いてこの御文の説明をするということです。

■文に三段を分かつとは即ち標・釈・結なり

この御文は「標」と「釈」と「結」の三つに分けられるということで、「標」とは主題・テーマの意で【一念三千の法門は】の部分。「釈」とは解釈・展開の意で【本門寿量品の文の底に秘し沈めたまえり】の部分。「結」とは結論で【竜樹・天親は知って而も未だ弘めたまわず、但我が天台智者のみ此れを懐けり】の部分です。

■義に十門を開くとは、第一に一念三千の法門は聞き難きを示し、第二に文相の大旨を示し、第三に一念三千の数量を示し、第四に一念に三千を具する相貎を示し、第五に権ごん実じつ相対して一念三千を明かすことを示し、第六に本迹ほんじゃく相対して一念三千を明かすことを示し、第七に種しゅ脱だつ相対して一念三千を明かすことを示し、第八に事理の一念三千を示し、第九に正像に未だ弘めざるの所以を示し、第十に末法流布の大白法なることを示すなり。

これはこの御文全体の「義」を10個示したた部分です。この後「義の十門」についてひとつずつご指南されているのが「三重秘伝抄」の内容になります。ここまでは「三重秘伝抄」の序文・目次にような部分です。というわけで今日はここまです。続きはまた次回(多分来月)です。


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