先日(2月28日)、米国とイスラエルがイランへ先制攻撃を行い、その日にうちにイランの最高指導者のハメネイ師を殺害するという衝撃的な出来事がありました。過日のベネズエラ・マドゥロ大統領の電光石火の拘束といい、改めて米国の力を全世界に示しました。イスラム政権に苦しめられていたイラン国民は、概ねこの攻撃を歓迎していますが今後どのような政権・国家になるかは不透明です。イランはアラブ人国家ではなくペルシア人国家ですから、イランとイスラエルは本来は仲がいいはずなのです。旧約聖書にはペルシア人がユダヤ人を助けた、『バビロン捕囚』の記述が有ります。『バビロン捕囚』とは、紀元前587年に新バビロニア王国がユダ王国が滅亡させ、ユダ王国の人々をバビロンに強制移住させたことをいいます。このユダヤ人を解放したのが、アケメネス朝ペルシアのキュロス2世ですからイスラエルの民(ユダヤ人)はイランの民(ペルシア人)に感謝すべき歴史があり、敵対関係になることは本来あり得ないことです。現に1948年に建国したイスラエルとイランは以前は国交があり両国民が行き来する良好な関係でした。しかし、1979年の『イラン革命』で、パーレビ朝を倒しイスラム共和制を樹立すると関係が悪化します。革命後のイランは前政権の親米路線から、反米・反英へと路線変更しました。そしてイランはイスラエルとの国交を断絶し、イスラエルを国家として承認しないとしたのです。聖地・エルサレムの問題と、反米政策がイランがイスラエルを国家承認しない理由です。またイランはイスラエルの周辺国の反イスラエル武装組織の支援もしてきました。レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、ガザのハマスなどを支援してきました。イスラエルからすれば、イランがテロ組織を使って自分達を攻撃していると思うのも仕方がないことでしょう。また国内では政権を奪取したイスラム教シーア派の最高指導者ホメイニ師は、シャリーア(イスラム法)を適用するようになり、殺害された後継者のハメネイ師もおよそ半世紀にわたりイスラム原理主義によるイスラム国家体制を維持し統治してきました。ユダヤ教やイスラム教、キリスト教と言った一神教の宗教は他の神を認めませんから、キリスト・イスラム教(ユダヤ教はほとんどいない)が世界の半分以上を占めていることは人類にとっては好ましくないと思います。中東問題は宗教・人種・歴史が複雑に折り重なっていて、日本人にはなかなか理解しがたく、イランとイスラエルのどっちが悪いと安易に判断できませんが、シャリーアが適用されるようになった革命後のイランは、我々からみると非人道的な国家であり、特に女性の人権が蹂躙され続けていたのは事実です。また今年の1月には政府が人民を大量虐殺するという事件も露呈していて、その規模は中国の天安門事件を凌ぐと報道されています。このような現状ですから、イラン国内外の多くのイラン人が米国・イスラエル軍がハメネイ師等を粛清したことに歓喜するのは当然でしょう。一方で国連や一部の国際社会、日本の左派の中には米・イスラエルを批判する声もあります。特に日本メディアは左派寄りの偏向報道をしているように見受けられます。どのように決着するかわかりませんが、個人的にはイランは人道・人権を無視したイスラム原理主義国家の現体制から民主国家へ変革し、イスラエルと国交回復をして中東が安定する事を望んでいます。対話が大切なのは当然ですが、歴史を局面では必ず「力(軍事力)」が加わるのが歴史の現実です。その力が正義だったのか否かは後の歴史が証明することでしょうが、一日も早い戦争の収束とイランの民主化を願ってやみません。
▼一日「イチ押し」お願いします

