公明党が連立離脱を決断し、四半世紀にわたる自公連立政権によやく終止符が打たれた。自民と公明のチキンゲームは何度も見てきたが、今回は双方とも最後まで「降りずに」連立解消というゲーム理論においては一番最悪な選択となったが、いつも理論通りに行動できないのが人間だ。公明党としては、公明=善・自民=悪というイメージを植え付けながら離脱したのは善悪二元論が大好きな創価学会員の心をくすぐるベストな離脱戦略だった。思惑通に創価学会員は、公明の決断に拍手喝采を贈っている。本当にチョロい支持者達だ(笑)。もっとも今回の公明の連立離脱は、自民・公明・有権者にとって歓迎される最高の結果だと思う。自民は公明の選挙支援は受けられなくなるが、公明党アレルギーの保守層が戻ってくる可能性もあり、本来の保守政党の姿を取り戻す可能性が高くなった。一方の公明は、連立離脱は公明が存在感を示せる唯一の手段で、これまで自民の中に埋没して衰退した党勢を回復する可能性や、議席数(集票数)が減らない限り与野党に亘ってキャスティングボードを握ることが可能な立場になった。そして国民(有権者)にとっても、この26年間で日本を衰退させた元凶である自公政権が解体したことで希望が見えてきた。このまま自民党を少数与党の状態にしておけば、これまでのように自公が好き勝手に国会運営をすることも出来なくなり、野党と協議・協力をしていくことになり野党に投票した国民の意見も国会に反映することができ、今まで以上に多くの国民が望む政策の実現が可能になる。多数決ではなく、与野党の協議・協力の下での国会運営こそ本当の民主主義だ。そしてなにより国民にとっての大きなメリットは、常に政権交代が出来る状況に近づいたということだろう。定期的に政権交代が行われれば、利権政治は減少するのは間違いないと思うし、なによりも与野党が固定化していては政治家全体のレベルが上がらない。政治家全体のレベルが上がらなければ日本の政治のレベルも上がらない。2軍の選手でも1軍に上げて経験させなければチーム全体のレベルアップはしないのと同じだ。レギュラー固定は一見強そうだが、力のある2軍選手を見落とし潰しチーム力を下げてしまい、長い目でみたらマイナスだ。今の野党に政権を任すには不安だが、いままで野党議員は万年2軍選手なのだから多少のエラーには目をつぶってでも1軍で使わないと日本の政治力は衰えるばかりだ。こうして長期的・総合的に俯瞰すれば、今回の公明の連立離脱は、自民・公明・有権者の三方勝利で敗者はいないと思える。こうなると今後の政局のカギを握るのは有権者の投票行動になってきて、ようやく本当の民主主義政治が日本でも始まると思うと少しワクワクする。「選挙に行っても何も変わらない」時代から、「選挙に行けば変えられる」時代がもうそこまで来ている。今回の公明の連立離脱を促した遠因も、衆参国政選挙で自公を少数与党に追い込んだ有権者の行動だ。ここからこのチャンスをモノして日本を本当の民主主義国家に変えるか、それともこのまま寡頭制のような政治を許して次世代に渡してしまうのか、いまこそ有権者(国民)が勝者になるか敗者になるかの勝負所ではないだろうか。ずれにしても、小泉進次郎が総裁だったら自公政権は続いていただろうから、自公分離を実現した高市総裁は、「いい仕事」をしたと思う。
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